『暦のススメ』冨貴書房ブックレット 03|冨田貴史[著]
¥880 税込
こよみは「日読み(かよみ)」という、日々の移ろいを指折り数えるマインドフルな生き方から生まれた言葉。知識ではなく、たしなみとしてのこよみ。暮らしの中にポンと置いておける、いつでも気軽に読めるハンドブックを目指して書きました。
前半は太陽、月、地球の織りなす時のリズムのことを、
後半は土用の過ごしかた、そこから派生して土のこと、体の土であるハラ(肚)のことを丁寧に書きました。
暮らし方、自然の中における自分自身の立ち位置、体の中で起こっていることに、気づき、見直し、味わっていく助けになればと願っています。
■こよみあれこれ:(本文には書いてませんが)
◎己読み(こよみ)
己の身体を読むこと。判断、ジャッジ、鑑定、ではなく、読み味わう。感じる。感じ続ける。頁をめくり続けるように、継続して寄り添う。
◎古読み(こよみ)
古きから学ぶ。
明治初期に迷信とされた陰陽五行による身体の見方、季節の見方を取り戻すこと。温故知新。ひいばあちゃんの養生法への信頼感。
◎個読み(こよみ)
なにはともあれ観察。自分を見つめてくれる一番の観察者は自分。自分が最も継続して見つめることのできる身体は、自分の身体。個々が授かった尊い個体である、この心身を愛でること。
◎弧読み(こよみ)
宇宙の星々は弧を描く。
同心円のものはなく、すべては楕円で歪んだ弧を描く。
規則性を持ち、周期はある。
しかしその動きは、常に最新の軌道を描く。
規則性、周期性、そして不確実性。
人の体も、季節も、反復の美の中にありながら、
一厘の歪みとズレの美が共存してもいる。
ゆがみ、ずれながら反復を繰り返すことで、螺旋運動が続いている奇跡。
その奇跡に畏敬と畏怖の念を持って手を合わせる。
年は稔、念。
一年の移ろいがもたらす稔り(みのり)に手を合わせる。
「何が起こるか知っている(既知)」という感覚ではなく「何が起こるか知らない(無知)」の境地で、
イマココを楽しむ。
そこにあったら嬉しい羅針盤であり、地図のような、曆(こよみ)。
こよみ。
美しき言霊への敬意と感謝を込めて。
2021年9月4日 貴史 冨田 fbより
【目次】01 こよみ
02 暦
03 年、月、日
04 一日
05 一月
06 一年
07 夏至と冬至の光のあたりかた
08 夏至と冬至の昼の長さ
09 春分と秋分
10 立春、立夏、立秋、立冬
11 春、夏、秋、冬
15 季節の変わり目=土用
16 土用とは
17 季節のめぐりかた
18 土のはたらき
19 肚(ハラ)
20 肚を助けるススメ
21 腸内細菌のこと
23 肚を助ける食物繊維
27 土用のススメ
29 春、夏、秋、冬のススメ
33 春夏秋冬土用のススメ(マトメ)
企画:冨田貴史 / 杉山開知
文:冨田貴史
表紙・作画:杉山絵美
編集・装丁:川邊雄
制作協力:太陽系時空間地図 地球暦 HELIO COMPASS
制作・発行:冨貴書房
販売元:three rings
お問い合わせ:info@3rings.shop
印刷・製本:株式会社グラフィック
発行日:2021年9月23日秋分
冨田貴史1976年千葉生まれ。大阪中津にて味噌作りや草木染めを中心とした手仕事の作業所(冨貴工房)を営む。ソニーミュージック〜専門学校講師を経て、全国各地で和暦、食養生、手仕事などをテーマにしたワークショップを開催。子どもたちを放射能から守る「海旅Camp」共同代表。
著書『春夏秋冬 土用で暮らす』(2016年/主婦と生活社・共著)『いのちとみそ』(2018年 / 冨貴書房)『ウランとみそ汁』(2019年/同)など。
冨田貴史ブログ
冨貴工房にぎやかな都会の中に、昔ながらの町並みが残る中津商店街。昭和の香りが色濃く残った店構えからは、懐かしさと風情がにじみ出ています。人が人として生きる上での喜びの源である「創造的に生きること」を大切に、私たちの暮らしを支える衣食住に手のひらの中で直接触れ、恵みに感謝することから、これからの暮らしを見つめていきたいと思います。工房では、味噌や梅干、鉄火味噌、黒炒り玄米、麻褌、草木染衣類の製作、それらを流通させるマーケット、それらの価値を伝えるメディアやスペースを自給することを目的にワークショップ、ワークシェア、コミュニティバンク、大豆の栽培などを行っています。
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