光田勝美氏育成。「ウエアヘッド」から発見された葉色の濃緑の変異株を選抜し育成。1962年命名。
特徴としては濃緑の肉厚葉で切れ込みやシワが少なく、生育の早い極早生種。耐暑性が強く、抽苔は比較的遅い。低温期でも生育が安定し、周年栽培ができる。
用途としては生食。サラダ。肉厚はやわらかく品質がよい。サラダに最適だが、炒めたり味噌汁の実にしてもおいしい。
蒔きどき 3~5月、9~10月
採種地 チリ
種子加工 なし
種子消毒 なし
【商品詳細】
収穫期
酷暑、厳寒期を除き、ほとんど周年栽培可能。播種後40〜45日で収穫する。
播種期
春3~5月。秋9~10月。高温では休眠して生えない。夏季は20℃前後で催芽播する。
発芽適温
15~20℃、最低温度4℃、上限25℃(25℃以上になると休眠に入る)
播種法
25℃以上の高温になると極端に発芽が低下するので、播種床が高温にならないように注意してください。発芽日数4~6日。
覆土
好光性種子のため覆土は浅めが良い。細かいので覆土せず、土とよく馴染むよう押える程度。発芽まで乾かさない。
生育適温
18~23℃前後
栽培法
元肥主体で初期生育を旺盛にする。株間は20~25cmが適当。土壌の適湿を保ち、生育を順調に促す。株サイズが20~25cm程度で収穫する。
採種法
長日植物。高温長日条件によって花芽分化、抽苔が進む。レタスの仲間は自家受粉性なので、交雑の心配はほとんどない。開花後、タンポポと同じように綿毛が出てある程度枯れかかったら刈り取り、防虫網などに包み風通しの良い軒下で乾燥させる。よく乾燥したら揉みほぐして種子を取り出し、風選して夾雑物を飛ばす。
種子寿命
冷暗所に保存しておけば4、5年保つ。
休眠
収穫直後から高温下では休眠を現す。(低温で打破)
種子保存法
高温にあうと二次休眠に入ってしまうので注意。
※注意事項
1:種子を食用、飼料用に使用しないで下さい。
2:小児の手の届かない場所に保管して下さい。
3:直射日光を避け、涼しい所で保管して下さい。
野口勲氏プロフィール野口のタネ・野口種苗研究所代表
1944年生まれ。
全国の在来種・固定種の野菜のタネを取り扱う種苗店を親子3代にわたり、埼玉県飯能市にて経営。
伝統野菜消滅の危機を感じ、固定種のインターネット通販を行うとともに、全国各地で講演を行う。
著書に「いのちの種を未来に」「タネが危ない」、共著に「固定種野菜の種と育て方」等。
家業を継ぐ前には、漫画家・手塚治虫氏の「火の鳥」初代担当編集者をつとめた経歴を持つ。
野口のタネ・野口種苗研究所(
http://noguchiseed.com/)
タネが危ない!わたしたちは「子孫を残せない野菜」を食べている。いま世界の農家で使われているほとんどのタネが「F1」と呼ばれる一世代限りしか使えないタネ。そしてF1の中でもオシベがない「雄性不稔」と呼ばれる、生物学的には異常なタネが増えていると言います。
食糧生産の効率化のために増え続けるF1のタネ、私たちの食の安心や安全は守られているのでしょうか?
---- 雄性不稔植物を使ったF1種の作り方 ----
まず改めて簡単に用語のおさらいです。
● F1種:異なる性質を持つタネを、人為的に掛け合せてつくった、雑種の一代目のこと。異種を掛け合せてつくるイイとこ取りの種です。
● 除雄:作物が自家受粉(自分の花粉で受精すること)しないように雄しべを手で取り除くことを言います。F1種は「雑種」であるため、自家受粉されては目的の雑種がつくれないため、除雄が必要になります。
● 雄性不稔:植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることを言います。人間で言えば、男性側に原因のある不妊症と同じです。
---- 雄性不稔植物はどのように生まれるのか? ----
とても便利な雄性不稔植物ですが、どのように生まれてくるのでしょうか?
ズバリそれは、突然変異によるミトコンドリア異常によって生まれてくるのです。
ミトコンドリアとは簡単に言えば、細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどを、直接あるいは間接的に供給する器官です。この、生物にとって必要不可欠なミトコンドリアに異常をきたすことによって雄性不稔植物が生まれてくるのです。つまり、今私達が口にしているものの多くは、このようなミトコンドリアに異常のある野菜ということになります。このような異常のあるものを食べて続けても体への影響は無いのでしょうか?
タネをつなごう固定種とは「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」のことを言います。 つまり、親としていいものを選んで選別淘汰していき、そのいいものを遺伝的に固定していき、安定したものを栽培していくということです。それが京野菜などの伝統があり、個性を持った野菜として根付いています。
固定種の利点は、遺伝子が固定されているため、自家採種が基本的に可能であること。野菜を成熟させて、種まで採ることは決して簡単なことではありませんが、私たちが食べているお野菜たちの一生を見守ることができるのはとても素晴らしい体験になるでしょう。
野菜たちは私たちに食べられるために育つのではなく、種を残して子孫を繋ぐのが彼らの一生です。種を残したいという植物たちのエネルギーは凄まじく、全く違う姿になるものもあります。そんな姿を見ることによって、改めて食べもののありがたさを感じることができるでしょう。