晩抽で生育が早く優良な品質だが、耐寒性がやや弱いので冬作には適せず、主に春播種として用いられる。無刺丸種子。
特徴としては葉は大型で鮮やかな緑色を帯び、幅が広い楕円形。葉肉は厚く、又、根は赤色を帯び、葉と共に柔かく栄養価も高い。葉面はシワに富み、葉柄は短い。抽苔の遅い品種で春播種として用いられる。無刺丸粒。
用途としてはサッとゆがいてお浸しに、油炒めとして鮮やかな緑色、ビタミン、鉄分など栄養価も高い。
蒔きどき 2月下旬~4月下旬、9~10月
採種地 デンマーク
種子加工 なし
種子消毒 なし
【商品詳細】
播種期
春/2月下旬~4月下旬、秋/9月~10月
発芽適温
15℃~20℃、25℃以上では発芽率が低下する。
覆土
タネの厚みの2、3倍。発芽まで充分水気を保つ。
生育適温
15~20℃、25℃以上で生育が抑制される。耐寒性が強く-10℃にも耐える。
採種法
長日作物。長日・低温条件で花芽分化し、長日・温暖条件で抽苔は促進される。雌雄異株の風媒花。他品種が近くにあると交雑しやすい。他品種が近くにあった場合、雄株を刈り取る。初夏、雌株が黄変し枯れ始めたら地際から刈り取って数日天日に干し、枝葉を落としてから棒で叩いて脱粒し(針種の品種は素手だと痛いので、地下足袋などを手にはめて靴底で擦って脱粒させると良い)、風選してゴミを除きよく乾燥する。
休眠
種皮に発芽抑制物質がある。採種後高温の2、3ヶ月間休眠する。
種子保存法
よく乾燥し、お茶の缶などに入れて密封し冷蔵庫の隅に。
※注意事項
1:種子を食用、飼料用に使用しないで下さい。
2:小児の手の届かない場所に保管して下さい。
3:直射日光を避け、涼しい所で保管して下さい。
野口勲氏プロフィール野口のタネ・野口種苗研究所代表
1944年生まれ。
全国の在来種・固定種の野菜のタネを取り扱う種苗店を親子3代にわたり、埼玉県飯能市にて経営。
伝統野菜消滅の危機を感じ、固定種のインターネット通販を行うとともに、全国各地で講演を行う。
著書に「いのちの種を未来に」「タネが危ない」、共著に「固定種野菜の種と育て方」等。
家業を継ぐ前には、漫画家・手塚治虫氏の「火の鳥」初代担当編集者をつとめた経歴を持つ。
野口のタネ・野口種苗研究所(
http://noguchiseed.com/)
タネが危ない!わたしたちは「子孫を残せない野菜」を食べている。いま世界の農家で使われているほとんどのタネが「F1」と呼ばれる一世代限りしか使えないタネ。そしてF1の中でもオシベがない「雄性不稔」と呼ばれる、生物学的には異常なタネが増えていると言います。
食糧生産の効率化のために増え続けるF1のタネ、私たちの食の安心や安全は守られているのでしょうか?
---- 雄性不稔植物を使ったF1種の作り方 ----
まず改めて簡単に用語のおさらいです。
● F1種:異なる性質を持つタネを、人為的に掛け合せてつくった、雑種の一代目のこと。異種を掛け合せてつくるイイとこ取りの種です。
● 除雄:作物が自家受粉(自分の花粉で受精すること)しないように雄しべを手で取り除くことを言います。F1種は「雑種」であるため、自家受粉されては目的の雑種がつくれないため、除雄が必要になります。
● 雄性不稔:植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることを言います。人間で言えば、男性側に原因のある不妊症と同じです。
---- 雄性不稔植物はどのように生まれるのか? ----
とても便利な雄性不稔植物ですが、どのように生まれてくるのでしょうか?
ズバリそれは、突然変異によるミトコンドリア異常によって生まれてくるのです。
ミトコンドリアとは簡単に言えば、細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどを、直接あるいは間接的に供給する器官です。この、生物にとって必要不可欠なミトコンドリアに異常をきたすことによって雄性不稔植物が生まれてくるのです。つまり、今私達が口にしているものの多くは、このようなミトコンドリアに異常のある野菜ということになります。このような異常のあるものを食べて続けても体への影響は無いのでしょうか?
タネをつなごう固定種とは「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」のことを言います。 つまり、親としていいものを選んで選別淘汰していき、そのいいものを遺伝的に固定していき、安定したものを栽培していくということです。それが京野菜などの伝統があり、個性を持った野菜として根付いています。
固定種の利点は、遺伝子が固定されているため、自家採種が基本的に可能であること。野菜を成熟させて、種まで採ることは決して簡単なことではありませんが、私たちが食べているお野菜たちの一生を見守ることができるのはとても素晴らしい体験になるでしょう。
野菜たちは私たちに食べられるために育つのではなく、種を残して子孫を繋ぐのが彼らの一生です。種を残したいという植物たちのエネルギーは凄まじく、全く違う姿になるものもあります。そんな姿を見ることによって、改めて食べもののありがたさを感じることができるでしょう。