伝統春まき大根の本命品種
時無し大根
文政初期(1810~1820)、京都東九条の小山藤七が、極晩生種のダイコン種を得、「藤七大根」の名で種子を販売したのが起源と言われる。
数量:一袋あたり: 粒数 500粒以上 内容量 8ml
正式名称は「早太り花知らず時無大根」 春まきで抽苔しにくい大根の代表種。葉は小型で濃緑色、切込み多く立勢。根長35~40センチ。根径6~8センチ。晩生で生育遅く、肉質は繊維質で硬い。秋まき春どりもできる。
【用途】
肉質硬く辛味があるので主としてオロシダイコンに利用されるが、煮物や漬物にしてもよい。(二年子大根系の原型から大正時代に中堂寺大根系の南禅寺大根と交雑し現在の「早太り花知らず時無大根」となり肉質が向上した)
■蒔きどき: 春、秋
■採種地: イタリア
■種子加工 なし
■種子消毒 なし
【商品詳細】
■収穫期:春3月まきで6月。秋10月まきで3、4月。
■播種期:春、秋
■発芽適温:最適24~28℃、15〜35℃が実用上の限界温度。
■播種法:間隔をあけて点播し、徐々に間引いて育てる。
■覆土:大根種の中では細かい種だが嫌光性なので確実に覆土する。
■生育適温:17~21℃、生育初期には高温にも耐えるが、平均25℃を越えると根部の肥大が悪くなり、肥大後は軟腐病や生理障害が発生しやすくなる。
■栽培法:二年子大根の系統で、低温肥大性が強く、低温感応性が鈍感で、極晩生のため抽苔しにくい(播種後花芽分化を開始するまでの日数は9月1日まきで180~200日)ので畑地の春まき栽培や越冬栽培に用いられ、端境期出荷に適す。反面成長が遅いので、根が太るまでじっくり待つ必要がある。
■採種法:秋まきして採種する。秋大根に比べ遅いが必ず抽苔するので登熟後刈り取り、莢から取り出してよく乾燥する。(ダイコンの種は登熟しても菜種と違い莢から飛び出さない)
■種子寿命:よく乾燥したタネならやや長命の部類(~4、5年)
■休眠:無い。(刈取りが遅れて雨に遭うと莢の中で発芽するので注意)
■種子保存法:乾燥し、お茶の缶などに入れ密封し冷蔵庫の隅に。
※注意事項
1:種子を食用、飼料用に使用しないで下さい。
2:小児の手の届かない場所に保管して下さい。
3:直射日光を避け、涼しい所で保管して下さい。
野口勲氏プロフィール野口のタネ・野口種苗研究所代表
1944年生まれ。
全国の在来種・固定種の野菜のタネを取り扱う種苗店を親子3代にわたり、埼玉県飯能市にて経営。
伝統野菜消滅の危機を感じ、固定種のインターネット通販を行うとともに、全国各地で講演を行う。
著書に「いのちの種を未来に」「タネが危ない」、共著に「固定種野菜の種と育て方」等。
家業を継ぐ前には、漫画家・手塚治虫氏の「火の鳥」初代担当編集者をつとめた経歴を持つ。
野口のタネ・野口種苗研究所(
http://noguchiseed.com/)
タネが危ない!わたしたちは「子孫を残せない野菜」を食べている。いま世界の農家で使われているほとんどのタネが「F1」と呼ばれる一世代限りしか使えないタネ。そしてF1の中でもオシベがない「雄性不稔」と呼ばれる、生物学的には異常なタネが増えていると言います。
食糧生産の効率化のために増え続けるF1のタネ、私たちの食の安心や安全は守られているのでしょうか?
---- 雄性不稔植物を使ったF1種の作り方 ----
まず改めて簡単に用語のおさらいです。
● F1種:異なる性質を持つタネを、人為的に掛け合せてつくった、雑種の一代目のこと。異種を掛け合せてつくるイイとこ取りの種です。
● 除雄:作物が自家受粉(自分の花粉で受精すること)しないように雄しべを手で取り除くことを言います。F1種は「雑種」であるため、自家受粉されては目的の雑種がつくれないため、除雄が必要になります。
● 雄性不稔:植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることを言います。人間で言えば、男性側に原因のある不妊症と同じです。
---- 雄性不稔植物はどのように生まれるのか? ----
とても便利な雄性不稔植物ですが、どのように生まれてくるのでしょうか?
ズバリそれは、突然変異によるミトコンドリア異常によって生まれてくるのです。
ミトコンドリアとは簡単に言えば、細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどを、直接あるいは間接的に供給する器官です。この、生物にとって必要不可欠なミトコンドリアに異常をきたすことによって雄性不稔植物が生まれてくるのです。つまり、今私達が口にしているものの多くは、このようなミトコンドリアに異常のある野菜ということになります。このような異常のあるものを食べて続けても体への影響は無いのでしょうか?
タネをつなごう固定種とは「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」のことを言います。
つまり、親としていいものを選んで選別淘汰していき、そのいいものを遺伝的に固定していき、安定したものを栽培していくということです。それが京野菜などの伝統があり、個性を持った野菜として根付いています。
固定種の利点は、遺伝子が固定されているため、自家採種が基本的に可能であること。
野菜を成熟させて、種まで採ることは決して簡単なことではありませんが、私たちが食べているお野菜たちの一生を見守ることができるのはとても素晴らしい体験になるでしょう。
野菜たちは私たちに食べられるために育つのではなく、種を残して子孫を繋ぐのが彼らの一生です。種を残したいという植物たちのエネルギーは凄まじく、全く違う姿になるものもあります。そんな姿を見ることによって、改めて食べもののありがたさを感じることができるでしょう。