青皮で中が赤い。甘酢で美味
青丸紅芯大根(あおまるこうしんだいこん)
北京近郊で古くから作られていた。戦後の日中国交回復で日本に入ってきた中国野菜。
特徴
青皮紅肉で直径10センチぐらい。重さ約650グラム。澱粉質が多く肉質緻密。中国名「紅心美(ホンシイメイ)」または「心里美(シンリメイ)」。甘味に富むので中国では果物の代用にもする。
用途
消化を助け、咳き止めの効果があるという。食欲をそそる赤い肉色を生かし、大根おろし、サラダ、三杯酢、甘酢漬けなどに適す。
蒔きどき
8月中下旬~9月上中旬
採種地
イタリア
発芽率
85%以上
種子加工
なし
種子消毒
なし
商品詳細
収穫期
10月下旬~12月上中旬。(播種後70~80日)
播種期
8月中下旬~9月上中旬
発芽適温
最適24~28℃、15〜35℃が実用上の限界温度。
播種法
株間25cmに点播。瓶底を圧し円にまくと間引きが楽。
覆土
1cm位。発芽には暗い方がよいので完全に覆土する。
生育適温
17℃~21℃、生育初期には高温にも耐えるが、平均25℃を越えると根部の肥大が悪くなり、肥大後は軟腐病や生理障害が発生しやすくなる。
栽培法
過湿を嫌うので高畝にし、排水をよくする。ス入りが遅く、貯蔵性があり、貯蔵することによって甘味が増す。切らずに中の赤色の濃淡を判別するには細かいヒゲ根を観察すると良い。(ひげ根の赤いものが内部の赤色も濃い)適当に遅まきしたものは一層品質がいいと言う。
採種法
間隔を空け植替え、開花後、完熟した莢から脱穀する。大根の種には休眠期間がないので、完熟後刈取が遅れると、雨期に莢の中で芽を出すことがあるので注意する。
種子寿命
よく乾燥したタネならやや長命の部類(~4、5年)
休眠
無い。
種子保存法
よく乾燥し、お茶の缶などに入れ密封し冷蔵庫の隅に。
野口勲氏プロフィール野口のタネ・野口種苗研究所代表
1944年生まれ。
全国の在来種・固定種の野菜のタネを取り扱う種苗店を親子3代にわたり、埼玉県飯能市にて経営。
伝統野菜消滅の危機を感じ、固定種のインターネット通販を行うとともに、全国各地で講演を行う。
著書に「いのちの種を未来に」「タネが危ない」、共著に「固定種野菜の種と育て方」等。
家業を継ぐ前には、漫画家・手塚治虫氏の「火の鳥」初代担当編集者をつとめた経歴を持つ。
野口のタネ・野口種苗研究所(
http://noguchiseed.com/)
タネが危ない!わたしたちは「子孫を残せない野菜」を食べている。いま世界の農家で使われているほとんどのタネが「F1」と呼ばれる一世代限りしか使えないタネ。そしてF1の中でもオシベがない「雄性不稔」と呼ばれる、生物学的には異常なタネが増えていると言います。
食糧生産の効率化のために増え続けるF1のタネ、私たちの食の安心や安全は守られているのでしょうか?
---- 雄性不稔植物を使ったF1種の作り方 ----
まず改めて簡単に用語のおさらいです。
● F1種:異なる性質を持つタネを、人為的に掛け合せてつくった、雑種の一代目のこと。異種を掛け合せてつくるイイとこ取りの種です。
● 除雄:作物が自家受粉(自分の花粉で受精すること)しないように雄しべを手で取り除くことを言います。F1種は「雑種」であるため、自家受粉されては目的の雑種がつくれないため、除雄が必要になります。
● 雄性不稔:植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることを言います。人間で言えば、男性側に原因のある不妊症と同じです。
---- 雄性不稔植物はどのように生まれるのか? ----
とても便利な雄性不稔植物ですが、どのように生まれてくるのでしょうか?
ズバリそれは、突然変異によるミトコンドリア異常によって生まれてくるのです。
ミトコンドリアとは簡単に言えば、細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどを、直接あるいは間接的に供給する器官です。この、生物にとって必要不可欠なミトコンドリアに異常をきたすことによって雄性不稔植物が生まれてくるのです。つまり、今私達が口にしているものの多くは、このようなミトコンドリアに異常のある野菜ということになります。このような異常のあるものを食べて続けても体への影響は無いのでしょうか?
タネをつなごう固定種とは「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」のことを言います。 つまり、親としていいものを選んで選別淘汰していき、そのいいものを遺伝的に固定していき、安定したものを栽培していくということです。それが京野菜などの伝統があり、個性を持った野菜として根付いています。
固定種の利点は、遺伝子が固定されているため、自家採種が基本的に可能であること。野菜を成熟させて、種まで採ることは決して簡単なことではありませんが、私たちが食べているお野菜たちの一生を見守ることができるのはとても素晴らしい体験になるでしょう。
野菜たちは私たちに食べられるために育つのではなく、種を残して子孫を繋ぐのが彼らの一生です。種を残したいという植物たちのエネルギーは凄まじく、全く違う姿になるものもあります。そんな姿を見ることによって、改めて食べもののありがたさを感じることができるでしょう。