はじめてのホツマツタヱ(人の巻)|著者 今村聰夫
¥2,035 税込
古事記の原典ともいわれる、神代文字「オシテ」で書かれた謎の古代書『ホツマツタヱ』。
この壮大な物語を丁寧にわかりやすく現代訳された本です。
日本人は漢字を使うようになる以前から、日本語に最も適した「ヲシテ」という神代文字を使い、多くの書物を書き残していました。
ホツマツタヱは、そのヲシテで記された古典の一書です。
まずは本書の訳文を物語り感覚で読み、ホツマツタヱの価値は、真贋の議論を遥かに超えた高みにあることを感じ取っていただきたいのです。
ホツマツタヱは当然のこと、古代の難語だらけですが、現代に通じる言葉も多く、原文をヲシテのまま読まれると、おおよその意味はつかめるでしょう。けれども、一語ごとに現代語と比較すると、その含意は途轍もなく広く深いのです。その含意をどのように現代語に置き換えるか、解釈する人によって、千差万別になりますから、自分の解釈を絶対視して他人の解釈を批判する人も出てきます。
将来研究者が増えて多くの解釈が出回ると、標準化が進むと思いますが、本書はあくまで私独自の解釈であり、私の感覚によって訳文を作っていることをご理解願います。
ホツマツタヱは、建国から理想国家を作り上げ、恒久平和に向けて努力した人々の物語だと私は理解しています。単に「歴史」記述だけでなく、一貫して「建国の理念」と「思想」が説かれ、そこに「衣食住」「子宝と育児」「教育」「文化」「生命」「平等」「悪」「更正」など、あらゆる場面で人間社会を向上させる取り組みが語られています。
「建国の理念」は「トのヲシテ」という名で集約されています。
その理念は「国の目的は、整えて平和にすること」「上に立つ者は世のため人のために尽くす」が根本に据えられています。 〜はじめにより抜粋〜
全編が五七調の長歌体で綴られており、
「天の巻」「地の巻」「人の巻」からなる三部構成にして、全四十アヤ(章)、約一万行(ヲシテ十二万字)に及ぶ大部の叙事詩です。
「天の巻」「地の巻」は古代氏族三輪氏の先祖で第六代大物主のクシミカタマが著わし、
「人の巻」はその末裔であり、景行天皇の重臣として仕えたオオタタネコが著わしました。
本書は、その「 人の巻」です。 〜本書の構成と編集方針より抜粋〜
地巻の最後にアマテル大御神が崩御。マサカキも枯れ尽き天朝には不穏な動きが。ツクシを治めていた神武天皇は決意して「ヤマトウチ(東征)」に立つ。神武天皇の仁政で天朝は安泰を取り戻すものの、豊かさからの人心の緩み、新興勢力との確執など、後継する朝廷には困難がつきまとう。時代は祟神天皇を経て景行天皇に至り、ヤマトタケの出番となるが、父祖と臣民の期待を背負う活躍は、やがて悲劇の週末を迎える。最後に明かされるソサノヲとの宿命とは。